南極観測船「宗谷」で半世紀前の南極探索の歴史に浸る

あるGWの昼過ぎ、知り合いが突然「海が見たい」と言い出したのをきっかけに無計画に車を出し、とりあえず東京で海が見れそうなお台場にいくことに。何も考えずに車を停めてぶらぶらしてると、船の科学館近くで展示されている「宗谷」を見つけました。当初の目的も達成しつつ無料で見学できるということで、少し中を見学させてもらうことにしました。

宗谷の船体は、近くで見てもそれほど大きさを感じさせません。

全体はこんな感じ。言われないと気づかないですが、やはりシルエットがWWII時代の船のような感じがしますね。宗谷は1938年に竣工し、貨物船の後に日本軍に徴用され特殊艦となったようです。

砕氷船としての役割を果たしてきた船の船首です。おもったよりものっぺりとした外見ですが、あまりに鋭角すぎると横からの力に弱くて砕氷しながら曲がれないんでしょうか。

受付でパンフレットをもらい、船内の見学コースに入ります。ここで宗谷の保存運動に募金すると、小さなカードをいただけます。そして階段を上り、船首側のデッキから入ります。

船体にでかでかと書かれる「火気厳禁」の文字。デッキから見上げる形で上に見えるのが操舵室です。

船内は一本道の見学コースとなっており、色々な部屋を見学しつつ船の中を見て回ることができます。これは入り口近くの食堂にあったペンギンの模型。

食堂には「宗谷」の船体名が額縁に入っています。

通路にむき出しになっている機器類。

船内のお風呂です。各部屋ごとに南極観測船時代の解説やコメントが添えられています。薄い水色の壁に赤錆がなんとも古さを感じさせます。

科員(船員)の部屋の札。

8気筒エンジンの様子は、一つ上の階から眺めることができます。

調理場の様子がマネキンとともに展示されているのですが、どう見ても日本男児っぽくないのが何やら可笑しいです。おそらく服飾用のマネキンのようなものを利用しているのだと思うのですが、こういった展示がところどころにあります。いや、実際の船乗りは甲板作業でこんがり焼けた肌で実際こんな感じだった……んでしょうか。

船尾にきました。

宗谷の設計図も展示されていました。改めて感じるこの小ささ。これで1950年代から南極と日本を往復していたと考えると、なんとも昔の人間は凄まじいなと思うばかりです。

計器類もこの通り、アナログな感じが時代を感じさせます。GPSが当たり前のように使える時代から考えると、当時はどうやって航海していたのかすら一般の人間からは想像がつきません。右下に見えるモールス信号用の「電鍵」も字面がいい味を出しています。

さて、一通り内部を見たところで、後部のヘリコプター甲板にやって来ました。海上保安庁の文字が輝く救命艇。

最後に操舵室に入ることができました。ここもなかなかの見応えがある部屋でしたが、家族連れの見学で子どもが遊び回っていたので、写真はあまりありません。これはコンパス。

物理計器自体もいいんですが、そこに書かれている文字のフォントが良い味を出してます。

そして最後にファンネル(煙突)です。青と赤のコントラストが素敵。

そんなこんなで30分もあれば一通り回れる宗谷の内部見学は、結果的に大満足に終わりました。潮風を感じながら浪漫あふれる船内を探索できる、隠れた観光スポットでした。何度も行って面白いものでもありませんが、家族連れなどにはとても良いんじゃないかと思います。

参考