ベルギーひとり旅行記 (7) - ナミュールの駅舎とシタデル「Citadelle de Namur」

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ヴィレ=ラ=ヴィルに別れを告げて、次に向かうはワロン地方のナミュールという街。ブリュッセルから電車で1時間ほどのこの街は、丘の上に「シタデル」という城塞があることで有名だ。中世の名残を感じさせる城塞や、その丘のほとりを流れるムーズ川、そしてこじんまりとしながらもヨーロッパを感じさせる美しい街並みを堪能することができる。

電車を降りてエントランスに向かうと、駅舎は意外にも現代っぽさを感じさせるフレームとガラスの組み合わせで、なにかちょっと不釣り合いさを感じてしまう。

これはこれで一つの名所足りうる雰囲気があるのだけれども、ヨーロッパに来たという期待とは少し乖離がある。ただそれは観光客の論理であって、ナミュールという街にはそこに暮らしてそこで生活している人たちがいる。ある意味で、そのベルギーの生活の一部を味わっているという逆な実感も湧いてきたり、考え出すと何がなんやら。

しかしながら、一度駅舎をでると、そこは確かにベルギーの町並みなのだ。これはちょうど駅舎の出口から撮影した写真なのだが、通りに左右に3,4階建ての建物がズラッとならび、規則的な窓や少しカラフルな建物の壁がヨーロッパな雰囲気を醸し出している。

これも駅舎出口付近からの1枚。そうそうこういう景色だよと変に納得してしまう。

さて、街歩きは後回しで、駅舎からシタデルのある方に歩いて行く。狭い通りも、路上駐車の車も、石畳の舗装も、すべてが街の一部であり、私にとっては新鮮でかつ郷愁を感じさせる一部だ。

細い路地を抜けると、ムーズ川を挟んで向かいにお目当てのシタデルが見える。歴史的な建造物である石造りの城塞は、いままで歩いてきた町並みと不思議と調和しているように感じられる。

さて、あれに登るにはまず対岸まで渡らなければいけない。そうやって近くの橋まで川べりを歩く。

橋を渡って見上げた1枚。これに登るのかと考えると少し気が重くなるが、ここまで来て引き返すわけにもいかない。

意を決して階段を登っていく。

途中からはなだらかな丘をゆっくりと登っていく道に入るので、想像していたよりも道は緩やかだ。横の芝生や木々も相まって、ちょっとした散歩ルートという感覚。

少し呼吸を荒くしながら坂道を途中まで登りふと横を見ると、さきほど歩いてきたナミュールの町並みが見える。おお、これだ、これが見たかったのだ。

あとちょっとで一番上の城壁までたどり着ける。ここまで来たからには、てっぺんから見えるナミュールの町並みを見たいという気持ちが、疲労やら何やらをすべて吹き飛ばしてくれる。

さっきよりかは高いところから町並みが見えるようになったかな。

ようやく一番上の城壁のせり出したところが見えてきた。あそこが町並みを臨むには一番良いポイントだろう。右上にも少し丘は続くが、まずはあの旗が掲げられている建物まで向かってみる。

そこからの景色。思わずため息が出る。ここまで登ってきたんだという達成感とともに、遠くまで続く町並みの綺麗さ。決して古いヨーロッパ的統一感はないのだけれども、要素の一つ一つは確実にヨーロッパを構成する雰囲気ある建物であって、いまのナミュールという生活が息づく街を見ているという実感が湧く。

いま写真を撮っている場所の城壁がせり出しているために、これまで登ってきた逆側の町並みも見渡すことができる。さきほど渡ってきた橋は鉄橋だったが、こちらは石橋だろうか。小さな旗が掲げられていて何とも可愛らしい。その奥には少し雑多な町並み、そしてその奥には緑の丘と、川べりに発達した街だということが再認識できる。

そうこうしながら写真を撮っていると、ふと太陽が雲に隠れた。その時に少しだけ、曇りがかった空、空の色を反射するムーズ川、そしてナミュールの町並みが合わさった、幻想的な一瞬を捉えることができた。

さて、一通りシタデルからの町並みを堪能したところで、シタデル自体も少しいていこう。といっても、シタデル自体が観光地となっているわけではなく、感覚としては大きな公園くらいのイメージだろうか。展示などはほとんどなく、できることと言えばかろうじて残っている城塞の跡や城壁などを見るくらいだ。

一部展示でシタデル内部の連絡通路みたいなものに入ることはできる。

シタデルの上にはカフェやら売店が入っている建物があるが、今回は外を眺めるだけ。このあとも頂上付近を少し歩き回ったが、特に見て面白いものがあるわけではなかった。

一通り回ったところで、下り道を見つけてシタデルを降りることに。1月末ということもあり、芝生には雪が少し残っていた。

下り道からの1枚。あんまり観光というほどではなかったけれども、ナミュールの町並みを堪能するだけで登った甲斐はあったというもの。時間にして1時間もいなかったが、観光とはまた違った形で、あまり観光客や住民のいない公園をのんびり散歩できてリラックスできた時間を過ごすことができた。

あとはナミュールの町並みをじっくりと見に行くとしよう。